「The Silver Tassie 銀杯」の光と影

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11月16日14時から「The Silver Tassie 銀杯」を観に世田谷パブリックシアターに行ってまいりました。

大事なことを気付かさせてくれる舞台でした。

 

 

主演の中山優馬くん

中山優馬くん演じるクラブチームの英雄ハリーが登場した瞬間に空気がガラリと変わって、みんなの目線を奪う姿は中心的存在であるハリーそのものですし、中山優馬くんの持ち前のキラキラアイドルと通ずるものがありました。

ハリーとして、のびのびと歌ったり踊ったりしてる姿がとても良かったです。そう!優馬くん歌って踊れるアイドルですからね!

 

戦前

戦争に送り出すシーン。
ハリーがカラフルなお洋服から、さっと味気ない軍服に着替えて色がなくなるのが切ないです。
部屋に一人残っている母に対して「さよなら」と一声かけて立ち去るハリー。その後、窓に近寄って暫く外を覗き込んでいる母の背中は寂しさを物語っていました。何も台詞のない時間が続きました。小さくなって見えなくなるまでハリーを見ているのかな。

 

戦場

戦場は人形劇です。「生きていなければ命令もされない」と切なく歌い上げる不健康そうな人形たち。天に召されたような美しい歌声に包まれます。

時折人形を動かしている演者のお顔が見えるのが新鮮でした。演者のお顔は表情があったりなかったりで、戦場に出たら誰もが自分の意思を踏み潰し操り人形なんだなとも感じました。

あと、恐らく人形はすごく重たいはずなのに、それを感じさせないぐらい非常にダイナミックに動くのが見所です。

 

戦後

戦争は終わったはずなのに、何も楽しそうな音が聞こえない、ただただ不穏な空気が流れていて耐えられない空気になっていました。

戦争によってハリーは生きて帰ってこれましたが今まであったものを奪われてしまい、気が狂ってしまいます。この世の終わりみたいなお顔をしているハリーは、表情が変わりすぎて、同じ人とは思えませんでした。

目に見えないものまで奪ってしまう戦争は非常に恐ろしいもので、戦争を始めたら決して終わることはないのだと舞台を通して教えてもらいました。

 

ポスター

メインビジュアルのポスターの優馬くんの横顔が切なそうなのが気になっていたのですが、観劇後の私の解釈は心にぽっかりと穴が空いてしまったような複雑な表情をしているように感じました。誰にも怒りをぶつけられないような喪失感に溢れたお顔。

 

笑いもあるよ!

山本亨さん演じるシルベスターと青山勝さん演じるサイモンが息がぴったりのコンビ芸を繰り出してきて、流石レジェンドですし、何よりも場を和ませてくれました。小さくフフっと笑ってしまうような必要不可欠な存在でした。

 

きっかけ

こういった題材はデリケートで難しいと思うのですが、取り扱いが難しいから触れないのでなく、歴史が繰り返されないように何かの「きっかけ」作りになったら、いいのかな…と思いながら観劇させていただきました。珍しく真面目。

そして、私もやっとブログ更新しました。

 

明日千秋楽ですが、どなたか駆け込んでいただけたら、嬉しいです。