「チャイメリカ」

世田パブの好きな場所

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2月6日18時半・2月23日13時からの「チャイメリカ」を観劇しに、世田谷パブリックシアターに行って参りました。

会話劇に散りばめられた情報をかき集め、徐々に徐々に確信へと迫り、最後の沈黙で全部の点と点が繋がりこの3時間が走馬灯のように駆け抜けるような舞台でした。

 

書き溜めていたら、だいぶ温めてしまい、地方公演も終わってしまいました!素敵な作品を届けてくださりありがとうございました!の気持ちでいっぱいです!

以下、ネタバレを含む感想です!

 

スピード感がすごい!

38景の場面が、カメラのシャッターを連写するかのようなスピードで、その原色の光景を次々と炙り出す。(演出 栗山民也さんの初日コメント)

初日コメントを読んで、そうそうそう!それ!それそれ!とすごく納得しました。やはり演出家さんの頭の中はすごい!ぴったり当てはまる言葉を選択される!

回転床がぐるぐるまわって別のセットが出てきて、そこに役者さんが流れるように立って、ビール瓶を『チーン!』と鳴らしたり、カメラを『パシャッ!』とシャッターを切ったりして、音と共に空気が変わる。場面と場面の間が短いのに、しっかりと空気を変えてくる演出には感銘を受けました。(回転床といえば、異なる時間軸や場面の物語を乗せてぐるぐる回して観せる演出が舞台ならではで、すごいすき。)

あと、舞台を覆い隠すように前方に出てくるスクリーンに映し出されるジョー撮影のお写真か大きくて、まるでその世界に入ったようなかんじ。『パシャッ…パシャッ…(シャッター音)』とこちらも音と共にスライドとしてお写真を流すので、止まっているようで動いていて、スピード感は一切崩れなかったです。後半からはもうシャッター音が癖に。

目も耳も贅沢。緻密に計算し尽くされ、丁寧に作り上げた舞台でした。

 

ジョー役 田中圭

今回の舞台では「冷静で、落ち着きがあって、春風のような爽やかな人」と言われていたのにあることをきっかけに「くされちんぽ」と言われてしまう役でした。小学生にみたいに吹き出すかと思ったので、その表現は控えていただきたい><www

楽しそうに演技する圭くんを観るのが楽しくて、「遊び」と表現していよいのかはわからないけど、例えば脱ぎ飛ばしたズボンを取りたくて、ソファの下に手を突っ込んで、でも届かなくてパンイチで足をバタバタさせるジョーはめちゃくちゃおもろかった。観客席側が足で、舞台奥がお顔で、何を見せられているんだろうと笑いました。あと、寝起きの演技がめちゃくちゃ上手い。おはようって声かけたくなる。あと、本当に腕が格好良い。そして「葛藤」が本当によく似合う。たくさん悩んで、たくさん考える終盤の演技がとてもすき。会話の中心に立って緩和剤のように色んなものを徐々に吸収していって最後に発散するような感じ。

すけこまし

チャイメリカ観る前に予習しなきゃと思ってネットサーフィンしたら圭くんがジョーについてわかってるのは「すけこまし」という部分だけと言ってたけど、すけこましのシーンは1景だけでしたよ!圭くん!と突っ込みたい!!!

小道具

カメラマンのジョーが持っているカメラは3種類でした。Canonとデカデカ聞いてあるゴテゴテの武器のような一眼レフカメラ、いつも肩掛けしてるOLYMPUSコンデジのどこかのメーカーでした(見えん…!)。お写真大好きなので、圭くんが肩に引っかけるカメラも、パパラッチのようにシャッターを連写する姿も、フラッシュが眩しくても、なお、愛しかったです。

  

テス役 倉科カナ

私が抱いている倉科カナさんが演じる役のイメージって可愛さを存分に使いこなす悪女(何のイメージ?)なのですが、今回は大変ウブな役どころ!ガガガといい返球を投げてくる!衣装はスーツスタイルのパレードでどの衣装もパキッと着こなす。マーブルワンピースがとても謙虚で可愛らしかった。

舞台の終盤では「唐辛子スプレーよ!」と目の痛みを訴え、突然ブルーのカッパをかぶり始めて(!?)「はいこれ!」と牛乳?をジョーに渡して、お顔全体に牛乳?を浴びせられます。圭くんが楽しんでいるせいか牛乳の量がハンパなくて、ブーーーー><と吹き出したり、タオル持ってきてお顔拭いたりする姿は面白かったですが、ここの場面ジョーに対して強がって元気な姿を見せている姿がなんとも切なくも感じました。

ジョーに「お腹の赤ちゃんの親に会ってみたいな」と言われて『お前の子供を身ごもってるんじゃー』と無言で視線を送るテスも。ジョーに「今更だけど会いたかった」とキスされて大号泣してしまうテスなんて、もう全体を通して罪なやつやな。ジョーが。しかも、さっきまで牛乳浴びてたのに、なんでそんなにボロボロ涙が出てくるの?ジョーもびっくりしてたけど、観客もびっくり完敗です。外見も可愛くて、幅広く演技もできるなんて、向かうところ敵なしじゃないですか。すごい女優さん。

 

ジョーとテスの可愛い場面

  • 機内で初対面のジョーとテス。仕事仲間のメルを、テスのお得意のカテゴライズのお話しを聞いているジョーが楽しそうににやにやしていて可愛い^^
  • 機内のラスト場面でジョーとテスが恋の始まりを予感するように可愛く見つめ合ったまま、回転床に流されていくのがなかなかシュール
  • 後日期待マンマンで会ったら「仕事の話できたの」とテスに言われて、あからさまに体重が後ろになり、ふてくされるジョー><www
  • 二人っきりになるとどうにかきっかけを作ろうと頑張るジョーが可愛いいいい(額の怪我を触らそうとしてテスの手をガッと掴むジョー。雨音を聴くテスの背後に忍び寄るジョー。など)
  • ソファに座るジョーとソファ近くの床に座るテス。話してる最中に、話しに熱が入ってジョーの太ももにポン!と手を乗せてしまうのですが、ぱっ!と離すテス。かっかわいい><
  • テスの衣装はほぼスーツなのですが一回だけ部屋着があって、もうこのときのジョーの部屋でくつろぐテスが可愛い><!!!!白のふわふわニットに、フッツーのジーパン履いて、寝っ転がってるだけなのにすごい自然で可愛い。裸足!ペディキュア赤!
  • テスが発表の練習をしている時に、わーーー><もーーー><わからないーー><みたいにパニックになっているのを、遠く離れたソファーから口を抑えて笑ってるジョーが可愛すぎてえいえんに観たいです。
  • 「ビール飲まない?」と誘うジョーに対し「いいわ!(要らないの意)」と知らんぷりするテスに、「紅茶でもいい!」とテスの座る椅子に手をついてテスの肩に顔を近付けるジョーがすごいガンバリ屋さん><(こういうお近づきの仕方があるのね!!)
  • テスのことを、ぎゅーっとして、ほっぺに、ちゅーするジョー

  • 可愛いすぎるよ…><!かわいすぎるんだよ!!

 

癒し

そういえば舞台中に冨山えり子さんが出ていたシーン(ヘンタイマッサージ、セクシーダンスなど)がおもしろすぎて大変癒されました。あと、富山えり子さんのセクシーダンスの衣装が暗闇の中で見えないのにしっかりとアメリカこっきのギラギラのビキニで本当に衣装さんのセレクトが良い!!!!

  

ヂァンリン役 満島真之介

もう一人の主人公。

カテコの時も満身創痍になっておられていて、ボロボロになるまで身も心も削って毎公演を全力で演じている姿に目を奪われました。

 

ヂァンリンのシーンは自分の部屋にいることが多くて、ほぼ毎回決まった背景になっていて、右側が赤色の時はヂァンリンのお部屋。赤い月みたいな背景になるとあの事件の日の回想シーン。月はクレーターみたいなのが黒色でずっともやもやしながら場所とか濃さとかが一定に動いていて、物凄く不気味で気持ち悪かったです。

ヂァンリンが自分の言葉であの日の事件のことを記録していると、どこぞから二人組が現れて回想シーンが始まります。ヂァンリンの若い頃を演じる池岡亮介さん(春ドラ火9に出演するよ!)と当時のヂァンリンの婚約者リウリを演じる瀬戸さおりさんのお二人の世界観は独特で異次元へ誘われます。もちろんヂァンリンは録音しているので、回想中のお二人のどんな演技に対しても、ずーーーっと同じに口を動かしています。ヂァンリン、本当にすごかった…。

この二人の馴れ初めはどうやら冷蔵庫の購入がきっかけだったのですが、回想から戻って部屋のシーンになったときにヂァンリンが冷蔵庫開けたら、真っ赤なワンピースを着た女の子(リウリ)が無表情で虚ろに体育座りしていて「!!!!!」となって、冷蔵庫の機械音だけが鳴り響いていて、背筋が凍りました。驚きすぎて心臓が止まりそうでした。

冷蔵庫女(リウリ)のワンピースや靴が真っ赤に染まっているのは、恐らく血を表していて、黒色に染まっているのが左胸とお腹の部分でこれは、自分の命とお腹の赤ちゃんの命なのではと思った瞬間にぞわぞわが止まらなかったです。いやほんとに。ね。瀬戸さおりさんの心がない表情もいい。ヂァンリンが現在で見るリウリの姿は基本的に亡霊なのでこの真っ赤な衣装を身に付けています。引き続き衣装が良い!!!!

1幕終わりは、ヂァンリンが「Blood」て入力して「血っていう意味だよ…。」て赤く染まってゆく背景はまじでこわいです。

懲罰のところで自分の本当の気持ちではないことを書かされそうになって、ヂァンリンが涙を流すのは、なんかもうこちらの胸が痛かったです。ボールペン持てよとでもいうように警官にぐりぐりされるのも、もうどこ観ていいかわからないぐらい苦しそうでした。

その後懲罰から出てきて、兄のヂァンウェイ(眞島さん)に看病されているときは本当に苦しそうで苦しそうで。

ラストシーンでは牢獄の中でジョーに電話をしているヂァンリンの後ろに、舞台袖の上の段の下手からと上手からそれぞれでてきた警察官が近づいてくるときの「すたっ…すたっ…すたっ…すたっ…」は、こわいって。まじでこわいって。

警察官きたら、ヂァンリンの朝食の揚げパンのお皿は投げられ「カランカラン」なってるし、紙袋なんて「ドーン!」て後ろに置かれるし、ほんと音もこわい。震え上がります。

 

ドッグフェイスのフラグの回収の仕方がえげつない。

終盤にヂァンリンの甥がジョーの写真展でタンクマンに向かって「ドッグフェイス」と言うのですが、このときにジョーはタンクマンがヂァンリンだと気づいて、電話をした後の、本当のラストの「!!!!」みたいな感情が湧き出方がすごいです。観客としても物語上このラストのラストで知らされるのですが、ジョーと同じタイミングで知って、なんで気付かなかったんだ!ていうジョーの気持ちを体感できて、物語に入れた気持ちにもなれました。

ドッグフェイスの伏線って既に前半で1回回収していたのと、今まであまり出番のなかった甥がここで活躍するなんて、あらゆる方面から核心に迫られて圧巻でした。

 

冒頭のヂァンリン

「なんでそんなにタンクマンのことを気にするの?」と言っていたこと。ジョーに「それって生きてるってことだよね!」と問い詰められて、別の人の名前を教えたこと。ジョーがその人が亡くなってたことを迫られると「何かヒントになればと思って」と答えるヂァンリンも!あのヂァンリンも!このヂァンリンも!と勝手に走馬灯のようにヂァンリンがたくさん頭の中に浮かんできて…。あぁ。

ジョーが動き始めたから、ヂァンリンもあの日と再び向き合えたのかな…。テスとジョーの可愛い場面後に舞台が回転するのですが、そこで懲罰受けてボロボロなヂァンリンが乗ってきて、そのまま回転しきってまたテスとジョーの可愛いいちゃいちゃに戻っていくといった、対称的な物語が同じ舞台に乗っかっていました。あの事件が起きなければ、ヂァンリンの結末も変わっていたのかな…。こういう題材の終着がわからないので終わろうと思います。

 

とにかくすごかった…。

 

お偉いさんブロック

今回初日のチケットがとれて、記憶の中では初めて舞台の初日なるものに入れました。嬉しい><!そこで観た初日の客層ですが、センターブロックはおじさまやおばさまとか外国人の方とかでどっからどう見ても、偉そうな方々が座られていました!こんなあからさまなお偉い様用に席をご用意されてるんだ!と驚きました!

 

(ちなみに上手と下手ブロックはいつもどおり。顔馴染みみたいに声をかけあっている人が多かったな…。私は相変わらずぼっち観劇です!(にっこり))